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松本 太郎; 岸本 泰明; 宮戸 直亮; Li, J.*
Journal of Plasma Physics, 72(6), p.1183 - 1187, 2006/12
被引用回数:6 パーセンタイル:21.5(Physics, Fluids & Plasmas)磁場閉じ込めプラズマでは、さまざまな時定数及び特徴的長さを持つ乱流揺動と、それによって二次的に生成される帯状流とが、相互作用しつつ輸送過程に影響を及ぼす。このような時空間スケールが異なる揺らぎが混在している系における輸送の解析には、シミュレーションによる再現とともに、それらの揺らぎの特性をさまざまな側面から同定し、特徴付けることが重要である。本研究では、ジャイロ流体モデルを用いた電子温度勾配(ETG)モード乱流の3次元スラブ配位シミュレーションを行い、異なる磁場及び温度勾配の条件の下で、帯状流の形成や間歇的な熱流束等の輸送特性と、揺動から得られる相関次元,確率密度関数(PDF)等の統計量との関係を明らかにした。また、電場と圧力揺動とのクロススペクトル解析から、帯状流による乱流輸送の低減が、異なる二つの素過程に起因することを明らかにした。
佐藤 正泰; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 長山 好夫*; 川端 一男*; 岩間 尚文*
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
磁場閉じ込めトーラス装置(トカマク,LHD)の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果について、数値計算を行った。トカマクにおいて、相対論的効果による非相対論的EC周波数からのずれを用いた電子密度分布測定を提案している。種々の密度分布に対してこの方法が適用可能であることを明らかにした。また、LHD装置のECE測定では、通常観測されている磁場に直角な視線では、視線に沿って磁場構造はベル型になり、プラズマ中心位置で磁場が最大になる。電子温度が高くなると相対論的効果が現れ、周波数のダウンシフトが起こり、プラズマ中心に対応する非相対論的EC周波数の位置に放射がなくなり、ECEで測定する電子温度が見かけ上小さくなる。プラズマ中心と磁場の最大位置が一致する場合と一致しない場合について、ECEを相対論的効果と吸収を考慮して計算した。プラズマ中心と磁場の最大位置が一致しない場合のECE測定では、プラズマ中心が磁場の最大位置よりも手前に来るように観測すれば、相対論的効果による中心付近のみかけ上の温度減少と周辺のみかけ上の温度増加を避け、精度の高い電子温度分布測定ができる。
佐藤 正泰; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 長山 好夫*; 川端 一男*; 岩間 尚文*
Proceedings of 13th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating, p.89 - 94, 2005/00
磁場閉じ込め装置(トカマクとLHD)の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果について、数値計算を行った結果について報告する。トカマクにおいては、ECEを強磁場側から観測した場合、電子サイクロトロン周波数(EC周波数)が相対論的効果により低い周波数側へ大きくシフトし、非相対論的EC周波数からのずれが大きくなる。数値計算によれば、この周波数のずれは電子温度にほぼ単調に比例し、かつ電子密度に依存することがわかった。この依存性を用いて電子密度を測定する可能性について発表する。また、LHD装置のECE測定では、通常観測されている磁場に直角な視線では、視線に沿って磁場構造はベル型になり、プラズマ中心位置で磁場が最大になる。電子温度が高くなると相対論的効果が現れ、周波数のダウンシフトが起こり、プラズマ中心に対応する非相対論的EC周波数の位置に放射がなくなり、ECEで測定する電子温度が見かけ上小さくなることを定量的に明らかにした。
佐藤 正泰; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 長山 好夫*; 川端 一男*; 岩間 尚文*
Review of Scientific Instruments, 75(10), p.3819 - 3821, 2004/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)LHD装置の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果について、数値計算を行った結果について報告する。LHD装置のECE測定では、通常観測されている磁場に直角な視線では、視線に沿って磁場構造はベル型になり、プラズマ中心位置で磁場が最大になる。電子温度が高くなると相対論的効果が現れ、周波数のダウンシフトが起こり、プラズマ中心に対応する非相対論的EC周波数の位置に放射がなくなり、ECEで測定する電子温度が見かけ上小さくなることを定量的に明らかにした。電子密度110m,電子温度5keVにおいて、規格化小半径の0.1以内に見かけ上、減少する。また、LHDにおいて、この相対論的効果の温度測定への影響を実験的に検証するプラズマパラメーター領域を評価し、充分検証可能なことがわかった。
井戸村 泰宏
NIFS-PROC-58, p.46 - 50, 2004/07
数値トカマク計画では、トカマクプラズマにおける微視的不安定性、及びそれにより引き起こされるプラズマ乱流輸送の第一原理シミュレーションに基づく定量的評価を目指し、これまでジャイロ運動論的トロイダル粒子コードGT3Dの開発を進めてきた。講演では、GT3Dに実装されている物理モデル及び数値手法を紹介し、GT3Dから得られた最新の結果を示す。
松本 太郎; 岸本 泰明; Li, J.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.6, p.597 - 600, 2004/00
トロイダルプラズマの輸送機構解明のために、近年統計力学的手法を用いた実験解析によるプラズマ乱流構造の同定が試みられている。国内のCHS及び米国のTEXTOR等の装置における計測データの解析により、プラズマが内在する自由度及び決定論的統計性が加熱手法及びプラズマの自律性(帯状流形成等)による状態変化を反映していることが明らかとなりつつあるが、統計量から乱流構造を同定するに十分な知見は得られていない。本研究では、乱流プラズマの統計量と乱流構造の関係を明らかにすることを目的として、電子温度勾配(ETG)乱流のジャイロ流体シミュレーションを行った。ETG乱流プラズマにおける電場の時系列データに対して、自己相関関数及びフラクタル次元等の解析を行い、温度勾配及び磁気シアーの変化,帯状流形成の有無等の乱流構造の変化に対する影響を系統的に明らかにした。温度勾配が強く磁気シアーが弱いため明瞭な帯状流が形成された場合、自己相関関数が0となる自己相関時間が1桁増加することが明らかにされた。これは系を支配する時定数の増大に対応する。また、帯状流形成及び磁気シアーの増大により相関次元が減少するが、これは内在する自由度の減少と対応している。さらに、乱流状態の確率密度関数において、大振幅領域にガウス型から逸脱が明らかとなった。これは間歇的に生じる大規模な熱流束と関連する可能性がある。
小倉 浩一
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 42(7A), p.4518 - 4519, 2003/07
被引用回数:1 パーセンタイル:5.65(Physics, Applied)高強度のパルスレーザー光をガスパフに集光して生成する高エネルギープラズマは光学素子の反射率を低下させるようなデブリのでないEUV光源またはX線源として期待される。プラズマを制御して効率的にEUV光またはX線を発生するにはレーザープラズマの特性の時間発展を知る必要がある。ここでは、Nd:YAGレーザーをアルゴンガスパフに集光して生成した膨張するプラズマの膨張速度と電子温度を静電プローブで測定した。その結果、膨張速度は約1600m/s、電子温度は1eV以下であることがわかった。
Li, J.; 岸本 泰明
Physics of Plasmas, 10(3), p.683 - 688, 2003/03
被引用回数:14 パーセンタイル:41.52(Physics, Fluids & Plasmas)巨視的スケールの乱流と微視的スケールのシア流間の相互作用は磁場閉じ込めプラズマにおける新しい研究課題となっている。本研究においては、このときの鍵となる相互作用が半巨視的スケールのイオン温度勾配(ITG)モードと電子温度勾配(ETG)モード乱流から生成された微視的スケールの帯状流を例題として取り上げている。微視的スケールの帯状流がITG乱流の径方向の非局所モード間結合をもたらすことを解析的に見出した。
越智 義浩; Golovkin, I.*; Mancini, R.*; Uschmann, I.*; 砂原 淳*; 西村 博明*; 藤田 和久*; Louis, S.*; 中井 光男*; 白神 宏之*; et al.
Review of Scientific Instruments, 74(3), p.1683 - 1687, 2003/03
被引用回数:10 パーセンタイル:49.39(Instruments & Instrumentation)高強度レーザー光を重水素を充填した燃料球に照射することにより生成されるレーザー爆縮コアプラズマ中の、電子温度,電子密度勾配の時間変化を、時間・空間分解X線分光法により明らかにした。実験においてX線分光ストリークラスターカメラによる時間分解X線スペクトルデータと単色X線駒取りカメラによる特定のラインX線に対応する単色のX線エネルギーの時間分解二次元画像データを同時に取得した。これらのデータをもとに遺伝的アルゴリズムを用いた自己無頓着な解析手法により、爆縮コア内部の電子温度,電子密度勾配を求めることに成功した。得られた成果と流体コードによるシミュレーションとを比較し、爆縮コアプラズマ形成の動的過程の診断を進めている。
河野 康則; JT-60チーム
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
核融合研究において、計測は、プラズマ物理を理解すること、及びプラズマを制御することの両者において不可欠な役割を果たす。JT-60Uは、計測開発とこれを用いた実時間プラズマ制御の分野において、多くの実績を挙げてきた。制御の対象となるプラズマ物理量としては、例えば、プラズマ平均電子密度,核融合中性発生率,プラズマ蓄積エネルギー,中心電子温度,電子温度勾配,電子温度揺動,電流密度分布,放射損失量,真空容器内壁との距離,中性粒子圧力、などであり、また時にはそれらの組合せ同時制御が行われる。JT-60Uでの高性能核融合プラズマの生成とその維持の成功は、このような実時間プラズマ制御に負うところが大きい。本論文では、これまでにJT-60Uの実時間プラズマ制御に向けて開発整備された計測装置について概要報告を行う。
池田 佳隆; 春日井 敦; 森山 伸一; 梶原 健*; 関 正美; 恒岡 まさき*; 高橋 幸司; 安納 勝人; 濱松 清隆; 平内 慎一; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.435 - 451, 2002/09
被引用回数:26 パーセンタイル:82.31(Nuclear Science & Technology)JT-60Uにおける局所加熱と電流駆動を目的として、電子サイクロトロン周波数(ECRF)加熱装置を設計,開発し、運転を行った。周波数は、弱磁場側からの基本波Oモードを入射する110GHzを採用した。本システムは、単管出力1MWレベルのジャイロトロンを4本,その大電力を伝送する4本の伝送系,さらに2基のアンテナから構成される。エネルギー回収機構とダイヤモンド出力窓が、ジャイロトロンの特徴である。エネルギー回収機構を利用するとともに、その発振動作を考慮して高圧電源の改造を行うことにより、主電源が一定電圧制御の無いJT-60高周波加熱設備においてもジャイロトロンの発振を可能とした。またダイヤモンド出力窓の採用により、伝送系の伝搬モードに効率よく変換できる出力モードを実現し、低損失導波管の採用とあわせ、60mの長距離伝送においても約75%の高効率伝送を実現した。2基のアンテナは、高周波の入射方向をプラズマ放電中に制御可能であり、これにより局所的な加熱/電流分布制御を実現した。2000年には3系統によりプラズマ総入射パワー1.5~1.6MW,3秒までの運転を行い、電子温度15keVの達成や、MHD制御等の実験に用いられた。2001年には4系統のシステムが完成し、約3MWレベルの運転が実施された。
諫山 明彦; 伊世井 宣明; 石田 真一; 佐藤 正泰
Review of Scientific Instruments, 73(3), p.1165 - 1168, 2002/03
被引用回数:12 パーセンタイル:55.3(Instruments & Instrumentation)電子温度及びその揺動を測定するために、JT-60Uの回折格子型分光装置用20チャンネル電子サイクロトロン放射(ECE)検出システムを開発した。1列に並べられたインジウム・アンチモン(InSb)検出器は、直径約50cmのクライオスタットに貯蔵された液体ヘリウムにより冷却されている。クライオスタット及び開口部の断熱特性を向上することにより液体ヘリウムの保持時間は7週間に達し、少ない作業頻度で装置の維持が可能となった。20チャンネルの前置増幅器は直流結合のものであり、低周波数のECEも測定することができる。直流結合前置増幅器を用いるときにはバイアスのドリフトが問題となるが、本システムでは放電1分前にCAMACモジュール制御用の信号を受信し増幅器内部に設置したタイマーを起動することにより、放電直前にバイアスをキャンセルしている。既設の20チャンネル検出システム(冷凍機によりInSb検出器を冷却し、前置増幅器には交流結合のものを使用している)と比較すると信号雑音比が大幅に改善されていて、これにより小さい揺動も検出できるようになった。この検出システムを用いることにより、負磁気シア放電の内部輸送障壁近傍の電子温度や電子温度揺動を測定した結果、内部輸送障壁の成長過程における電子温度の変動を観測することができた。
伊世井 宣明; 諫山 明彦; 石田 真一; 佐藤 正泰; 及川 聡洋; 福田 武司; 長島 章; 岩間 尚文*; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 53(1-4), p.213 - 220, 2001/11
被引用回数:16 パーセンタイル:73.21(Nuclear Science & Technology)JT-60Uプラズマの電子温度分布を、高時間・高空間分解能で測定することを目的として、ECE(電子サイクロトロン放射光)計測システムの開発を進めてきた。このシステムは、三つの異なったタイプのECE計測器から構成されている。フーリエ分光器は、絶対較正が施され、また、広い周波数領域の測定が可能であるが、時間分解能は、可動ミラーの駆動時間で制約されている。それに対し、回折格子型分光器は、高い時間分解能を有するが、絶対較正はできず、相対較正が適用される。また、ヘテロダインラジオメータは、高時間分解能と高空間分解能を合わせ持ち、さらに、SN比が非常に高いという特徴を有するが、周波数領域は、限られている。JT-60UにおけるECE計測システムでは、これらの機器を相補的に組み合わせて活用することにより、高分解能で信頼性の高い計測データを提供することに成功している。
小河 浩晃; 木内 清; 佐分利 禎; 深谷 清
JAERI-Research 2001-023, 21 Pages, 2001/03
発電炉の酸化物燃料では、燃焼度とともに放射性元素のXeやKr等の希ガスが多量に生成し、燃料と被覆管のギャップ内に放出して、伝熱阻害を促進し、被覆管の健全性を低下させることが重要な課題となっている。また、それらのオフガス中の回収技術の開発も急務となっている。本研究では、重元素の放射性希ガスであるXeやKr等の燃料中の振る舞いや、廃棄物としての回収・固定化のための新技術の基礎検討として、これらのガスの重照射場における化学的反応性を量子線による励起効果の新しい観点から基礎検討した。重照射場において当該ガスが低温プラズマ化して化学反応性が活性化することを想定して、これまでに未解明で、実用的にも重要な希ガス-酸素系の反応性を解析した。試験装置として、RF励起型の低温プラズマ反応試験装置を整備して、重元素希ガス自身及び実用環境で想定される酸素との混合ガス系について、プラズマ励起反応の起こりやすさを評価して、重照射場における当該ガスの存在状態や反応性を検討した。
小川 俊英; 小川 宏明; 三浦 幸俊; 新美 大伸*; 木村 晴行; 柏 好敏; 柴田 孝俊; 山本 正弘; 福本 直之*; 永田 正義*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 290-293, p.454 - 458, 2001/03
被引用回数:7 パーセンタイル:48.68(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mではコンパクト・トロイド(CT)入射による燃料供給の研究を行っている。CT入射実験はシングルヌル・ダイバータ配位で、トロイダル磁場B=0.8~1.3T,プラズマ電流I=140~240kAの条件で行った。CT入射装置からトロイダル方向に67.5度離れた垂直方向の軟X線検出器アレイでCT進入の様子を観測した。B=0.8TではCT入射直後、OH及びNBI加熱プラズマ中で大半径方向に非対称な軟X線分布の形成を観測した。同時に50s程度継続する大振幅の磁気揺動(100kHz)を観測した。CTの速度がプラズマ入射ではこれまでの最高の300km/sが得られ、この時の電子密度の上昇率は1.210m/sに達した。これはこれまでの実験条件(~200km/s)で得られた値の約3倍に相当する。上記の条件ではCT入射直後に軟X線検出器の高磁場側端チャンネルを含むすべてのチャンネルに応答があった。同じトロイダル磁場強度では、より運動エネルギーの大きいCTほど進入が深く、またCTの進入が深いほどCT入射直後の線平均電子密度の上昇率が高くなることが明らかになった。
諫山 明彦; 伊世井 宣明; 石田 真一; 佐藤 正泰; 鎌田 裕; 井手 俊介; 池田 佳隆; 高橋 幸司; 梶原 健; 濱松 清隆; et al.
Fusion Engineering and Design, 53(1-4), p.129 - 135, 2001/01
被引用回数:12 パーセンタイル:64.73(Nuclear Science & Technology)JT-60Uにおいて電子温度揺動を測定するための電子サイクロトロン放射(ECE)診断装置及びそれによる測定結果について記述されている。1999年にヘテロダインラジオメータシステムが拡張されてチャンネル数が24になり、176~200GHzのECEを測定することができるようになった。このヘテロダインラジオメータシステムにより、高Hモード放電で観測される磁気島の位置や構造が測定できるようになった。また、回折格子型分光装置を用い、電子サイクロトロン加熱や電子サイクロトロン電流駆動を行っているときのm/n=1/1モード(m,nはそれぞれポロイダルモード数及びトロイダルモード数)や鋸歯状振動の挙動を調べた。その結果、電子サイクロトロン(EC)波入射時にはm/n=1/1の磁気島幅が減少することがわかった。また、q=1面付近にEC波を入射することにより鋸歯状振動周期が顕著に増大することがわかった。
佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 諫山 明彦; 石田 真一
Fusion Engineering and Design, 53(1-4), p.161 - 168, 2001/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)トカマクプラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)による電子温度分布測定に関する克服すべき課題(相対論的効果、屈折効果、偏光の効果)のうち従来余り重要性が認識されていない偏光の効果について、偏光面の状態を数値解析で評価した結果について発表する。ここでは水平の視線に限定する。トカマクでは磁気軸を通る視線では、ファラディ回転が起こらない。しかし磁場のシアの効果により偏光面が回転する。数値計算の結果によれば、従来行われている一偏波の測定では、電子温度を過小評価する割合は安全係数が3で1%、1で8%である。偏光面の回転角と磁場の回転角はほぼ同じであるが、安全係数が小さくなると、そのずれは大きくなり、安全係数が1で3%ずれが生じる。磁気軸からかなり離れた視線ではファラディ回転がおもに効き、一偏波の測定では過小評価分の評価が困難となり、電子温度の測定ができない。
池田 佳隆; 春日井 敦; 高橋 幸司; 梶原 健; 諫山 明彦; 井手 俊介; 寺門 正之; 篠崎 信一; 横倉 賢治; 安納 勝人; et al.
Fusion Engineering and Design, 53(1-4), p.351 - 363, 2001/01
被引用回数:40 パーセンタイル:92.11(Nuclear Science & Technology)JT-60Uの高周波加熱として、電子サイクロトロン(EC)波による局所加熱/電流駆動の初期運転及び実験結果を報告する。本システムは、固体電流スイッチと高安定加速電源を従来の高周波加熱装置に付加することによりEC波を発振させるものであり、現在まで発振出力1MW,2秒,プラズマ入射電力0.75MW,2秒に成功した。局所加熱においては、アンテナの準光学可動鏡により、プラズマ中心から端まで、約15cmの中で加熱位置を制御できることを確認するとともに、入射の偏波条件を最適化することで、0.75MW,0.3秒の入射で中心電子温度を4.4keV上昇することに成功した。さらにNBIによる高 HモードプラズマにEC波を入射し、中心電子温度を約10keVに維持することを確認した。
小川 俊英; 三枝 幹雄*; 川島 寿人; 金澤 貞善*; JFT-2Mグループ
Fusion Technology, 39(1T), p.305 - 308, 2001/01
JFT-2Mで行ったバックファラデーシールド付速波アンテナの結合及び加熱実験について報告する。一般にアンテナ-プラズマ間隔()が広がるとともにアンテナ結合抵抗は減少するが、バックファラデーシールド付アンテナでは=5cmのダイバータ配位プラズマに対して10以上の結合抵抗が得られており、同じサイズの従来型ファラデーシールド付アンテナに比べて結合性能は大幅に改善されることを確認した。トロイダル磁場2.2T、平均電子密度110mのプラズマに対して250kWの速波加熱により、軟X線スペクトル測定からプラズマ中心部で0.35keV(T=1.1keV→1.45keV)の電子温度上昇を観測した。550kWまでのパワーレベルでトロイダル電解や粒子シールド効果に起因するアンテナ表面での放電等は発生しておらず耐電圧性能においても顕著な問題は発生してない。
井戸村 泰宏; 若谷 誠宏*; 徳田 伸二
Physics of Plasmas, 7(9), p.3551 - 3566, 2000/09
被引用回数:55 パーセンタイル:82.38(Physics, Fluids & Plasmas)ジャイロ運動論的有限要素PICコードを用いて、負磁気シア・トカマクをモデル化したスラブ配位における電子温度勾配駆動乱流を調べた。シミュレーションからq面の両側の磁気シアが有限の領域において準定常なErB帯状流が生成され、電子熱輸送が大幅に減少することを見いだした。K-H(ケルビン-ヘルムホルツ)モードの安定性解析から、準定常なErB帯状流の流速分布は、K-Hモードに対して安定化効果をもつq分布及び磁気シアと密接に関係していることが示された。q分布を磁気シアが弱まる側に変化させることにより、K-Hモードは準定常なErB帯状流に対して不安定になり、磁気シアの弱い領域においてErB帯状流は減衰する。この結果はK-Hモードの安定性を介して磁気シアによりErB帯状流を制御できる可能性を示している。